こんにちは
中華ダイニング たくみ 店主の入野匠平です。
小学生の時から「夢」だったこのお店を4年前にオープンしました。
早いもので5年目を迎える事が出来ました。
ここで 少し中華ダイニングたくみとはどんなお店なのか?
どんなヤツが作ってるのか?
どんな思いで作られたか? ちょっとだけ見ていってください。
小・中学校の成績と言えば 恥ずかしながらクラスで下から2・3番目、
高校も地域で一番の不良学校を卒業しました。
そんな不出来な私が唯一誇れる物は、料理人になると言う
「夢」でした。
私がなぜ お店を出そうと思ったのか、家族でよく食べに行く近所の中華料理店がありました。その時の、大将の鍋振りに惚れ込み、自分も将来お店を出したいと思いが膨らみ、今日まで「夢」を追いかけ進んできました。
高校卒業後にタンメン発祥の<株式会社 一品香>に入社し4年間働きました。ここでは基本的な作業を学び、身につける事で、マニュアルに沿っての作業を進め、一定基準の味を提供する事が出来るようになったと、自身で思い込み、調子に乗っていました。
その後自分の店を出すためと目標を明確にして、
行列ができる店<上大岡 味楽>で4年間修業をつみました。
一品香での経験を買われ、入社してすぐお客様に料理を提供させてもらう事ができました。
ある日の事、大将が「まかないを作ってみろ」と言い、そこで自信満々にタンメンを作り女将さんに食べてもらいました。
すると意外にも女将さんから出た言葉は「このタンメン全然美味しくないッッッ!!」の衝撃的な一言が返ってきました。
自分でも衝撃的すぎて、何かの間違いでは!!と思いました、次の日から
まかないを作り続けたが結果は同じでした。
そんな料理を、お客様に提供し続けてきた事にもかなり責任を感じました。
実際に常連のお客様から味が変わったと言われていました。
それもそのはず!!今だから分かることですが、火を使う料理というのは、ほんの少し微妙なタイミングがズレるだけで大きく味が変わってしまう程、中華料理は繊細な料理なんです。
そこで今までのやり方を一から見直し、自分の鍋振り姿と、大将の鍋振り姿を動画に撮り比べてみた所、誰の目から見てもその違いが一目瞭然でした。
そこで、大将の鍋振りを常に意識して見るようしたり、動画を何回も撮ってもらい研究を重ねていきました。
すると私と大将の違いがわかってきました。
具体的にいうと鍋を振る時、大将は火に直接野菜をあてるように大きく鍋を振るのに気付きました。一方、私の鍋振りは動作が小さく野菜が火にあたらず、野菜本来の旨味を引き出すことが出来ていませんでした。
しかし、気付いたからといって簡単には満足のいく味になかなかなりませんでした。自分には美味しい料理を作るセンスがないのではないかと本気で思い、「夢」を諦めようかと思うところまで追いつめられました。
周りの友人や先輩に相談すると実際にお店に食べに来てくれて、アドバイスや「諦めるなッッッ!!」と励ましてくれたのでした。
なにより「小さな時からの夢を諦めるな!!」と言って、一番支えになっていたのは両親でした。
その衝撃的な出来事から約1年経ち、女将さんにタンメンを食べてもらった時の事、
「いりちゃん、だいぶ大将の味に近づいて来たね!!」と言ってくれました。
こんな苦しくて、辛くて、諦めそうになった出来事も、皆様の笑顔が見たくて人生をかけて一生懸命に仕事に打ち込んで来ました。
本当にこの出来事のお蔭で、今でも私は慢心することなく日々進化を求め、
料理人としての楽しさ、奥深さを感じながら仕事を続けることが出来ています。